IR法案

カジノ法案とも呼ばれる「IR法案」の目的とカジノ候補地はどこ?

2018/10/01

2016年に国会で「カジノ法案」とも呼ばれる「IR法案」が可決され、日本でも合法的にカジノが楽しめるようになりました。

「カジノなんてできたら治安が悪くなる」と心配する声もあります。では、実際にカジノを合法化するIR法案とは、どのようなものでしょうか?

この記事では、IR法案について基本的な情報を紹介していきます。

IR法案ってなに?

IR法案
IR法案の正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」です。

カジノを中心に宿泊施設や会議施設、テーマパークや商業施設などを一体的に整備する統合型リゾート(IR:Integrated Resort)の設立を推進する基本法です。

IR法案は、カジノを合法化するための法案ではありません。日本中どこでもカジノが楽しめると誤解している人もいるようですが、カジノを楽しめるのは特定の施設だけです。IR法案の目的をきちんと理解することが必要ですね。

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IR法案の目的

IR法案の目的は、「観光・地域経済の振興」「財政の改善」となっています。

日本経済は、少子高齢化による人口の減少、医療費・介護費の増大により財政が圧迫されています。さらに、経済の成長率も低迷し、国内の需要も伸び悩んでいます。特に地方自治体の多くは、財政赤字が大きな問題になっています。

一方、海外から日本を訪れる観光客の数は、急速な伸びを示し、2017年は、2800万人を超え、3兆円を超える観光収入がもたらされました。日本経済にとって観光収入は大きな目玉です。

2020年の東京オリンピックに向けてさらなる伸びが期待され、カジノを中心とした統合型リゾートは、より多くの観光客を呼び込める場所になるはずです。

ちなみに世界のカジノ市場は20兆円ともいわれています。もっとも大きな市場がマカオです。年間4兆円を越えラスベガスの約8倍規模になっています。

また、2005年にカジノを合法化させたシンガポールは、2010年に2つの統合型リゾートをオープンしました。その結果、観光客数が約6割増加したと報告されています。

日本もシンガポールのような効果が得られればよいですが、IR法案を実施するためにはまだまだ課題があることも確かです。

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IR法案を実施する上での課題

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カジノ施設ができると心配されることも少なくありません。例えば、「反社会的な組織の介入」や「ギャンブル依存症」「治安の悪化」などカジノの悪い影響も危惧されます。

IR法案では、カジノ設置や運営に関する規制も以下のように記載されています。

「ゲームの公平性」や「チップなどの利用基準」「暴力団や不適切者の排除」「犯罪予防のための監視や防犯体制」「青少年の保護」「風俗環境の保全」「広告および宣伝の規制」「ギャンブル依存症などの予防」など、必要な措置を講ずることを明記しています。

2018年7月20日には「IR実施法」が可決され、カジノが刑法の賭博罪から外されました。

さらに、カジノの延べ床面積の上限を3%以下に設定、ギャンブル依存症対策として日本客の入場は28日間で10日に制限、1回の入場で6千円を徴収することが決まりました。

カジノでパチンコは衰退するのか?

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日本では、競馬や競輪などの公営ギャンブルは禁止されています。しかし、パチンコで儲けた人も少なくありません。

パチンコは、景品交換所と景品問屋という3つの店を回すことで合法と見なされているのです。パチンコは日本人にとって手軽なギャンブルとして定着しています。今回のIR法案でカジノの施設が誕生するとパチンコは衰退するという意見もあります。

しかし、反対に衰退することはないのではないかという意見もあがっています。ここからはカジノができたことでパチンコが衰退しない可能性が高い理由について紹介をしていきます。

カジノとパチンコでは客層が違う

パチンコは、実質的にはギャンブルですが、どちらかといえばゲームに近いものがあります。老若男女、誰もが手軽に出来る庶民感覚のギャンブルなのです。

一方、カジノはもともと富裕層の遊びから生まれたものです。

カジノの多くは高級ホテルなどにあり、お金に余裕がなければ行くことができません。カジノのターゲットは、富裕層や海外からの観光客です。つまり、カジノとパチンコでは客層に違いがあるのです。

遊べる場所の数が違う

平成29年の全日本遊技事業協同組合連合会の調査では、全国のパチンコ店の店舗数は、10,596と報告されています。

全国の市町村の数が、平成28年10時点で1,718ですから、1つの町に10店舗ぐらいはある計算になります。駅前に数店舗パチンコ店が並んでいる風景はよく見かけられますね。

一方、カジノが遊べる統合型リゾート施設は、今回のIR実施法では当面3箇所と決められました。そのため、気軽に訪れることができるかどうかは難しいのが現状となっています。

パチンコの市場規模はここ数年減少傾向にあります。パチンコとスロットを合わせた市場規模は年間20兆円を割り込み、2017年には19兆5,400億円になっています。
しかし、原因は出玉規制などにより客離れで、IR法案の影響ではありません。

IR法案はパチンコメーカーやパチンコホール運営会社にとっては、逆に大きなビジネスチャンスになっています。カジノ運営やスロットマシンの製造など大きな利益を目論んでいる会社は少なくありません。

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カジノは今後日本のどこにできるの?

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IR実施法では、カジノを中心とした統合型リゾート施設は、当面3箇所と決められましたが、実際どのような自治体が候補になっているのでしょうか。

現在候補地として手を上げているのは、「北海道の釧路市・苫小牧市・留寿都村、愛知県の常滑市、大阪府夢洲、和歌山市の和歌山マリーナシティ、長崎県佐世保市のハウステンボス」などの地域です。

しかし、立候補をしていない自治体の中に有力視されている候補地があります。

最も有力視されているのが、大阪の「夢州(ゆめしま)」です。大阪府は2025年の大阪万博の誘致に積極的に活動しています。統合型リゾート施設が出来れば、誘致への大きなプラス材料になります。

夢州は広大な人工島で、現在はコンテナターミナルがあるだけなので、統合型リゾート施設には最適な立地条件です。また、大阪府知事以下、府と地元企業との足並みが揃っているのも誘致には有利といえます。

また、横浜市の「山下埠頭」も有力な候補地です。東京オリンピックに向けて47ヘクタールという広大な敷地の再開発が決まっています。市街地に近いので統合型リゾートには理想的な場所です。

しかし、カジノ建設に反対する声が多いため、なかなか難しいのが現状となっています。

石原都知事が「お台場カジノ構想」を打ち上げて話題になった東京都も、有力候補地のひとつです。また、基地問題や県知事選も絡んで、沖縄が候補地になるという声もあり、実際に3箇所が決定するまではまだまだ波乱がありそうですね。

IR法案でカジノはできるのか…!?

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カジノ建設に賛否両論あるのは当然でしょう。

しかし、シンガポールのようにカジノを中心とした統合型リゾート施設で成功した例もあります。世界中から人々が観光に訪れている日本の魅力を、統合型リゾートがさらにアップしてくれることを期待したいですね。