【連載】人気ポーカー実況アナウンサーてらこ「世界のカジノはこんなところ」④

2018/10/25

この記事では、Resortline特別企画として、ポーカー実況アナウンサーである寺崎美保子(てらこ)さんの連載をお送りします。今回は、てらこさんがポーカー世界大会の登竜門であるAJPCとの出会った時のお話。ポーカー界の超人気実況アナウンサー、てらこさんの連載記事をぜひお楽しみください!

世界大会の登竜門 AJPCとの出会い

画像:AJPC会場内でテキサスホールデムのマシンゲームの体験。

近年、ポーカーの大会は国内外問わずチャレンジできるチャンスがいっぱいあります。そうはいっても、10数年前までは国内でのポーカー大会が世界につながっていることは、そうそうありませんでした。

2007年のこと。

私がテキサスホールデムを覚えて1、2年の月日がたった頃、第1回目の全日本ポーカー選手権、すなわちAJPCが開催されました。

AJPCとは?

東京と大阪で予選をすることは現在でも共通していますが、第1回目の東京予選と本選会場は東京・羽田の近くで開催。参加費無料の大会ですが、メイントーナメントのほかに、女性だけが参加できるレディーストーナメントと50歳以上に参加資格があるシニアトーナメントがありました。

豪華な優勝特典が魅力のAJPC

メイントーナメントに優勝するとWSOP(ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー)のメイントーナメント(参加費1万ドル)に無料で招待されるという豪華なプライズ。ラスベガスまでの航空券やホテルもついていることもあり、参加者にとっては目から鱗でした。

予選に参加するためには、AJPCのwebサイトで事前登録する必要がありました。私は情報をイチ早くキャッチして登録を済ませていましたが、私にポーカーの存在を教えてくれた鷲見さんは予約を忘れたというので、予選当日の朝イチから会場前に並んで、当日エントリーを試みました。

AJPC東京予選には100人のポーカープレイヤーが参加

予選は3,000点チップを持ち点としてスタートしました。セガ本社にはポーカープレイヤーが100人参加。そのなかで本選に残れるのは1割くらいと記憶しています。

25-50のブラインド。少し静かな時間が流れました。

ところが開始から30分もしないうちに、

「ワンシートオープン。イチ飛びは、鷲見さんでした」

マイクを通じて、声が聞こえてきます。

「えっ!?」

朝イチで一緒に並んだ鷲見さんが、まさかのイチ飛び!?

ポーカーの大先輩、鷲見さんのまさかの敗退

ハウストーナメントでは優勝経験が豊富で、私にポーカーのいろはを教えてくれた彼が、あっけなく敗退したなんて…驚きが隠せませんでした。

「イチ飛びした鷲見さんには、映画のペアチケットを差し上げます」

!?

このとき私の頭のなかは…、

「イチ飛びって、実はオイシイかも?」

と、考えていました。

ポーカーはチップよりも笑いを取ったら勝ち!

フリーロールで大会に参加。初手オールインして相手がコールしてくれる条件がそろえば、ダブルアップできるかもしれないし、逆に負けてもイチ飛びならば、何かもらえる(かもしれない)…これって、どっちに転んでも得しかないのでは…と。

まぁ、鷲見さん飛んだしなぁ…そう思って、私も会場に響き渡る大きな声で、

「オールイン!」

そう、発声しました。

緊迫している場内に、ちょっとだけ笑いが起こったことを今でも覚えています。

「ポーカーはチップよりも笑いを取ったら勝ち!」

話はそれますが、実をいうと2007年という年、私の人生を大きく変えることがいっぱいありました。

実は芸人活動もしていた2007年

画像:お笑いコンビ「てらちま」相方ちまと一緒に。

その年のはじまり、私はお笑いコンビ「てらちま」を結成して、相方とともに芸人として活動をしていました。ポーカーのイベントやネットテレビの番組などに、コンビで出演して、ポーカー芸人としても有名になろうと、サイパンのテニアンでネタを披露したこともあります。

ただ、お笑いの世界はそんなに甘いものではなく、ライブに出ても笑いを取ることはおろか、芸人として安定した収入はありませんでした。

しかし、1年で活動休止に…。

当時のプロダクション社長に、

「寺ちゃん、君はね。芸人以外で食べられる道があるからダメなんだ」

そう言われて、1年でお笑いコンビは無期限活動休止モード。

その翌年から、法人なりで起業して現在に至ります。

2007年に起こった衝撃な出来事はほかにもありますが、それについては別の機会に書こうと思います。

初めてのAJPCの結果は…

話を第1回AJPCに戻しますが、私は100人中13位で予選を敗退しました。あと、3、4人粘れば本選へ出場できたのに…と、複雑な心境。

「イチ飛びもバブルも結果は一緒」

AJPCトーナメントディレクターから、

「寺ちゃん、イチ飛びもバブル(あと一人で通過)も、結果は一緒なんだよ。厳しいと思うけれど、ポーカーの世界というのは、そういうものなの」

そう、言われたことが今でも忘れられません。

その後、ポーカーの世界大会へ出場していくことになるのですが、インマネ(in the moneyすなわち、賞金獲得)手前のバブルで敗退する機会も何度かあり悔しい経験もしているので、いずれ、そのあたりのことも紹介します。

ファイナルテーブル実況のきっかけとなったAJPC

AJPCは、毎年開催される日本国内最大級トーナメントです。当然、毎年欠かさず顔を出すようになるので、ポーカーメンバー同窓会のようなイメージもあります。2015年からファイナルテーブルの実況を担当するようになったのも、関係者とのご縁から。

 

AJPCの話は今後の連載のなかでもちょくちょく出てきますので、注目してみてくださいね。

 

続く…

 

寺崎 美保子(てらさきみほこ)。テキサスホールデムポーカー歴12年。
AJPCや夕刊フジ杯ポーカー王位決定戦などの実況を担当。
著者「人気実況者てらこの はじめてのポーカー テキサスホールデムで勝つ」KADOKAWAより絶賛発売中!

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