【連載】カジノディーラーになりたい!③カジノディーラーってモテますか?!

2018/10/31

カジノディーラーの実情に迫るこの連載も今回で3回目。

前回は気になるおカネのことを根掘り葉掘り聞きましたが、もうひとつ気になることといえばやっぱり「カジノディーラーってモテるのか?」ということ。

だってルーレットでバチッと0(ゼロ)を狙って落とすシーンとか映画でよくやるけど、もう超絶カッコいいじゃないですか。そんなのモテないわけないでしょう、絶対。

というわけで今回も日本カジノスクールにお邪魔して、そこのところ突撃!お話を伺ったのはディーラー歴11年、海外のカジノでも活躍していた実技講師の佐藤大介先生です。

狙った数字にルーレットの玉を落とせるって本当?

インタビュアー:先生、カジノディーラーってモテますか?

佐藤先生:はい?

インタビュアー:あ、いえ、あの、カジノディーラーってカッコイイじゃないですか。ほら、バシッと狙った数字に球を落としたり、映画とかマンガとかでよくあるじゃないですか。そういうのやりたいんですが、どのくらい修行したらできるようになりますか?

佐藤先生:ぼくはできませんよ。

インタビュアー:え、先生ですら修行が足りないと?

佐藤先生:そうではなくて、きちんとしたディーラーは、むしろそういうことをしないように訓練されるんです。

インタビュアー:ええええええ!!ルーレットの狙った数字に入れる練習とかしないんですか?!

佐藤先生:しません。

インタビュアー:なんでですか?

佐藤先生:そんなことしてもお店にメリットがないからです。ルーレットは、ディーラーがボールを投げたあともお客様はまだベットを続けることができます。つまり、狙ったところにお客様がチップを置いてしまったら、そもそも狙った意味がない。

さらにまずいのは、ディーラーが自由にゲーム結果を操作できると、ディーラー自身が店に対して不正ができてしまうんです。

インタビュアー:どうやって不正するんですか?!

佐藤先生:自分が担当するゲームテーブルに仲間をお客さん役として着かせ、置いた数字に球を落とせば不正ができてしまいますよね。

実はカジノは、従業員による不正も非常に警戒しています。ディーラーは不正(イカサマ)をやろうと思えばできる立場なので、そういうことをしないよう、できないように訓練されるのです。

徹底されたディーラー教育とは?!

インタビュアー:どんな訓練をするのですか?

佐藤先生:たとえば、ディーラーはボールを投げ入れるときに、ルーレットの盤面を見ません。目線をお客様の方に向けたまま手だけ動かして投球するのです。

インタビュアー:じゃあカードゲームも?次にA(エース)を出すとか狙ってるんじゃないんですか?

佐藤先生:次に出てくるカードなんて知りようもないし、わかったところで勝敗に影響ないんですよ。

インタビュアー:え、どうしてですか?

佐藤先生:実はディーラーは、自分でゲームの戦略を考える場面がないのです。

たとえばブラックジャック*の場合、お客様は次のカードを引くか引かないか選択することができますが、ディーラーはできません。16以下は必ずもう一枚引き、17以上は絶対に引かない、というルールに従っているだけなのです。

*ブラックジャック ・・・ カードの合計が21により近い方が勝ちというカードゲーム

インタビュアー:じゃあ、負けてるお客さんが「このディーラー強いよー!」とか言うのは、気のせいなんですか?

佐藤先生:負けているときはそう感じるものです。ディーラーに強い弱いはありません。

インタビュアー:・・・じゃあ、「可愛い女子だからディーラーさんが勝たせてくれた!ラッキー!」みたいのも?

佐藤先生:ないです。勝ち負けを操作しようがないので。

インタビュアー:シャツの袖口から欲しいカード出すとか、そういうのもないんですか?

佐藤先生:そもそも、ディーラーがそんなことする店に行きたいですか?お店はお客様に不信感を持たれたらマイナスなのです。カジノは、お客様が来てくだされば自然と儲かるようにできているので。

インタビュアー:え、お客が大勝ちしても?

佐藤先生:実はお店の利益って、ゲームの勝敗に頼っているわけではないのです。そんなことしたら商売自体が博打になってしまって、リスクが大きすぎる。カジノの利益は、もっと地味に、堅実に生み出されているんですよ。

意外と知られていないカジノの仕組み

佐藤先生:実はカジノのゲームはすべて「お店の方が少しだけ有利になる」ようにルールが設定されているのです。たとえば、アメリカンタイプのルーレットには1〜36に0と00を加えた計38個の数字があります。

ということは、ある特定の数字があたる確率は38分の1ということになります。ならば1枚の当りに対し38倍の配当がつけば、お店とお客様が完全に対等なルールと言えます。しかし、実際のルールでは36倍しかつきません。

インタビュアー:へえ!

佐藤先生:ためしにすべての数字に1枚ずつ、計38枚のチップを置くとしましょう。必ずどこかが当たりますね。せっかく当たっても、配当として戻ってくるチップは36枚だけ。つまりルーレットは「ずっとやっていると38枚あたり2枚ずつ失っていくゲーム」なのです。

もちろん実際にはこんな賭け方はせず、みなさん当たったり外れたりを繰り返すわけですが、それを均すと原理的には「38枚につき2枚ずつ負ける」のです。

インタビュアー:そんな恐ろしい理屈が隠されていたとは。

佐藤先生:恐ろしいといっても、カジノのゲームは他のギャンブルと比べたら極めて良心的なのですよ。

たとえばこのアメリカンタイプのルーレットの場合、仮に38枚のチップを1,000円で買えるとしましょう。とすると1枚のチップが約26.3円となります。

で、38枚かけて36枚戻って来る、つまり元手から2枚減るとすると、26.3円x 2 で約53円をお店に取られるということになります。

1,000円出して約53円失うということは、お店の取り分は約5.3%です。

ところが、宝くじはその10倍くらい、50%以上が胴元の取り分なんですよ。宝くじを買い占めてすべての当りを独占しても、買い占めに要した額の半分以下しか戻ってこないのです。

インタビュアー:えええええ!!!あんな身近な宝くじにそんな裏の顔が!!!

佐藤先生:隠していることではないのですが、知らない方も多いですよね。

本当にかっこいいディーラーとは

インタビュアー:じゃあ先生は宝くじ買わないんですか?

佐藤先生:買いますよ。たまにですけど。あれは夢を買っているのです。夢と希望の時間を売るというのも、宝くじのひとつの役割なのです。それはそれで悪いことではないと思いませんか。

インタビュアー:はあ・・・。まあちょっと話がそれましたが、つまりカジノディーラーは映画やマンガみたいにバシッとビシッと狙ったりしないってことですよね。

佐藤先生:そうです。

インタビュアー:あの、ぶっちゃけ、意外と地味じゃないですか?

佐藤先生:思ってたのと違うとはよく言われます。

インタビュアー:もっと華やかでカッコいいの想像してたんですが・・・

佐藤先生:ご期待に添えずすみません。でも本当にカッコいいディーラーというのは、所作が美しかったり、ミスなくきちんと手順を踏まえつつもお客様のことを気遣えたりと、地味な作業の中にも華と思いやりを出せるものだと思います。

新人のうちはゆとりがないので、その域に達するまででも結構な修行と経験が必要なものですよ。

インタビュアー:・・・やっぱりカッコいい。そんなカッコいいからには、やっぱりカジノディーラーって、モテますよね?

佐藤先生:・・・まあ、人前に出る仕事ですし、モテる人はモテるんじゃないでしょうか。

インタビュアー:先生はモテますか?

佐藤先生:ぼくは彼女募集中です。

インタビュアー:・・・カジノディーラーって、本当にモテるんですか?

佐藤先生:むしろぼくが聞きたいです。

インタビュアー:カジノディーラーがモテるかどうかは結局わからずじまいでしたが、とりあえずプロの美学を垣間見ることができたので勉強になりました。せっかくなら見た目も中身もカッコいいカジノディーラーを目指そうではないか!

 

【今回わかったことは・・・】

・カジノディーラーは数字を狙ったりカードを操作したりしない

・カジノディーラーは自身の不正(イカサマ)も監視されている

・カジノディーラーは華やかに見えて意外と地味だが、中身がカッコいい

 

【お話を伺ったのは・・・】

佐藤大輔先生

日本カジノスクール卒業後、海外カジノでディーラー経験を積む。
ロイヤル・カリビアン・インターナショナルにて外国船籍の豪華客船内カジノでディーラーを経たのち、スーパーバイザーとしてディーラー教育やカジノテーブル管理も経験。
2014年10月より、日本カジノスクール講師として後輩の指導にあたる。

マイナビ進学で日本カジノスクール講師が紹介されました!