グリニッジ標準時の仕組み

かつて世界時刻の基準だったグリニッジ標準時の仕組みってどんなもの?

2018/12/23

海外に旅行をすると実感するのが時差です。日本が昼間なのに旅行先では真夜中なんてこともよくありますよね。

時間はその国々によって異なっていますが、世界的な時間の基準となっていたのが「グリニッジ標準時」です。

この記事では、「グリニッジ標準時」についてご紹介いたします。

グリニッジ標準時ってどんなもの?

グリニッジ標準時の仕組み

1884年、ワシントンD.Cで開催された国際子午線会議において、イギリスのグリニッジ天文台を通る子午線(経度)を0度とした、グリニッジ天文台の時刻を世界時間の基準とすることが決定されました。

以来、長年に渡って、グリニッジ標準時が世界の国々の時間を決める際の基準になりました。しかし、現在の世界各国の時間は、より精度の高い協定世界時(UTC)を採用しています。

グリニッジ標準時の歴史

地球上の位置は、「緯度」と「経度」で決まります。緯度は南北に、経度は東西に刻まれた数字ですが、実は「経度」が明確に決まったのはグリニッジ標準時が採用されてからです。

大航海時代は、目的地に着く際の目標として、緯度を参考にしていました。緯度は、太陽や北極星から求められるため、同じ緯度の位置を出発点として平行に移動するという方法で航海をしていたそうです。

しかし、この方法では多くの船が殺到し大混雑になり、海賊に狙われることも少なくありませんでした。また、独自の経験などを頼りに航海に出た冒険家もいますが、現在のような正確な経度を把握した航海とは異なり、多くの危険を含んでいました。

そこで、月と星の位置から経度が分かるという話を耳にしたイギリス国王のチャールズ2世は、1675年にグリニッジ天文台を設置し、天文学者たちに正確な経度の研究を命じたのです。

そして、研究の中で出てきたのが、「出発地と現在地の時間を比較する」という方法論でした。さらに、時計職人のジョン・ハリソンが6週間の航海で誤差が5秒という懐中時計を開発したことで、イギリスの海洋技術は大きく進歩しました。

そして、1884年の国際子午線会議でグリニッジ天文台を通る子午線が経度0と決められ、グリニッジ天文台の時刻が、世界標準時刻となりました。

グリニッジ標準時(GMT)と協定世界時(UTC)

グリニッジ標準時の仕組み

グリニッジ標準時は、「GMT(Greenwich Mean Time)」と呼ばれ、長い間、世界各国の時間の基準となっていましたが、現在は協定世界時(UTC)が世界各国で使用されています。

協定世界時は、「UT(Coordinated Universal Time)」は、原子時計を使用して計測した時間である原子時に基づいた時刻のことです。

原子時計って何?

私たちが、一般的に使用している時計は、「クオーツ時計」で、振り子の原理を利用して時間を刻む仕組みになっています。デジタル時計もクオーツ時計の一つです

原子時計は、クオーツ時計とは全く違った計測方法を採用しています。

原子時計は、一般的な時計のような形状ではなく、セシウム133を利用して放射の振動数を計測する装置です。この原子時計で計測した時刻が原子時で、誤差は3000万年に1秒程度と言われています。

クオーツ時計は、32,768回振動することで1秒とカウントされますが、原子時計の1秒は92億回ぐらいの振動と言われています。このことから、時間の精度に、大きな開きがあることがわかります。

今、多くの時計は標準となる電波を受信して正確な時を刻む電波時計になっています。この電波の基準となっているのが原子時計です。

グリニッジ標準時(GMT)と日本標準時(JST)との関係


日本は、明治5年まで月の満ち欠けを基準とした太陽太陰暦を使っていました。

太陽太陰暦では、1日を十二支に当てはめて12等分にし、例えば、子(ね)の刻は今の午後11時から午前1時の2時間になります。そのため、現在の時間の感覚とは大きく異なった時間の中で、当時の日本人は生活していました。

明治政府が太陽太陰暦から太陽暦に切り替えたのは、明治6年(1972年)1月1日からです。世界標準時が決められたのが1884年ですから、時刻に関して、日本はかなり後進国だったことがわかります。

日本でグリニッジ標準時が採用されたのは、明治21年(1888年)でした。

日本の標準時「JST(Japan Standard Time)」は、兵庫県明石市を通る東経135度が基準となっています。

世界の標準時刻は、グリニッジ標準時の経度との差から決められます。地球は24時間で1回転、つまり365度を24時間かけて回り、1時間で15度移動することになります。日本の標準時の経度は135度なので、135を15で割ると9になり、グリニッジ標準時とは9時間の時差があります。

つまり、日本の標準時はグリニッジ標準時から9時間進んだ時間になります。

協定世界時を使用していても、経度を基準にすることには変わりないので、協定世界時から9時間進めた時間が日本の標準時です。

海外にはサマータイムが存在する場所がある

時間に関連して、海外へ出掛ける時に、注意したいのが「サマータイム」です。サマータイムとは、日の出が早い時期に時間を有効に活用するために、時間を1時間早める制度です。

つまり、本来の時刻は9時なのに、サマータイムでは8時になり、1時間早く仕事を始めて、1時間早く退社します。仕事が効率よくでき、プライベートタイムも有効に使えるということで、先進国の多くが実施しています。

日本でもサマータイムの導入が議論されていましたが、ヨーロッパではサマータイムを廃止する動きがあり、世界的にも複雑な問題になっています。

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グリニッジ標準時を知って時間の歴史を感じよう!

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かつて、大英帝国として世界に君臨したイギリスは、世界の時間の中心にもなっていました。

世界の標準時間の基になったグリニッジ天文台を訪問して、時間の歴史を感じてみるのも良いかもしれません。ぜひイギリスに訪れた際は足を運んでみてください!

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