【連載】カジノディーラーになりたい!④海外就職に必要なのは英語力より○○力?

2018/12/15

これまでカジノディーラーの様々な実態を探ってきた本連載ですが、せっかくいろいろわかってきたのでここはひとつ、どーんと夢を大きく海外就職について知りたい!

というわけで、日本カジノスクールのカジノ英会話講師で、かつ卒業生の海外就職についてもご担当されている山岸龍先生にお話を伺いました。

英語が話せなくてもカジノディーラーになれるの?

カジノスクール卒業生の約2割が海外に飛び立つ

インタビュアー:スクールの卒業生のうち、海外のカジノに就職した方というのはどのくらいいるのですか?

山岸先生:卒業生700名超の約2割が、海外のカジノへ進出しています。

インタビュアー:そんなにいるんですね!やはり皆さんさぞや語学が堪能なのでしょうか。

山岸先生:もちろんそういう方もいますが、意外と必ずしもそうとは限りません。中には「この人の英語のレベルで大丈夫かな?海外でやっていけるのかな?」と心配した方も実際いますよ。

インタビュアー:え、まさか日本語で面接してくれるんですか?

山岸先生:いえ、面接はもちろん英語ですし、それどころか一次の書類選考も英語ですので、英文の履歴書と職務経歴書が必要となります。

インタビュアー:「英語が堪能でなくても、英語の面接に受かる」ってどんな状況なんだろう・・・。

山岸先生:英文履歴書作成のポイントや英語面接のコツを掴み、きちんと練習すれば対策できるんです。実際に我がスクールでも履歴書や面接のアドバイスをしています。

ただし、完璧な英文の履歴書を用意するのは当然

インタビュアー:山岸先生が英文履歴書の添削もしてくれるんですか?

山岸先生:いえ、私は英文履歴書添削の専門ではないので添削はしません。

英語圏の国での就職を目指しているのならば、自分で完璧な履歴書を用意するのが当然。ですので、生徒にはプロにお金を払って添削してもらうことを推奨しています。

例えば日本企業が日本語でサービスを提供するお店のスタッフを募集する際、意味不明の日本語や誤字脱字がある和文履歴書を出してくる人を採用しないですよね。

英語ネイティブのディーラー志望者達と同じ土俵で戦わないといけないことを考えると、先ず履歴書は完璧で当然だと思います。日本人だから特別扱いされるかもと思って応募するのは企業に対しても他の応募者に対しても失礼な話だと思うので。

インタビュアー:なるほど。限られたポストを狙うわけですもんね。納得です!

採用試験に臨む心構えは、こうあるべし!

山岸先生:ですので、海外を視野に入れて就職活動をされる方は、まず自分で英文履歴書を作成し、最後にプロに添削したもらうことをお勧めします。

まずは手始めに英文履歴書の定型文を何枚も読んでから、自分で履歴書を作成するのが良いでしょう。

ちなみに、この「まずは自分で英文履歴書を作成をしてみる」ことは、とても重要です。始めから他人の力を借りて何とかしようとする方は、まだ海外で働くための土俵には立てていないことを自覚した方が良いかもしれませんね。

インタビュアー:(山岸先生って、ストイック・・・!)

山岸先生:まずは自分が相手に伝えたいことを、自分で、自分の知っている英語で書いて読んでみましょう。そこからダメ出しをされて、間違えて「悔しい」、やり直して上手くできて「嬉しい」経験を通じて学ぶ方が、身になるのです。

インタビュアー:失敗は成功のもとって言いますもんね。

山岸先生:そして、その汗水流して作った完璧な履歴書が書類選考を通過して面接にありつけたら、面接では完璧な英語でなくてもご自身のレベルの英語で笑顔で自己アピールをできれば、その後は自分の努力次第でどうにでもなると思います。

インタビュアー:なるほど。先生のお言葉、胸にしみました!

英語力より行動力!

海外で活躍する人の共通点 

山岸先生:実は、採用された後に現地で活躍している日本人ディーラーには共通点があるんです。

インタビュアー:どんな共通点ですか?

山岸先生:それは、「自立心」があって、「コミュニケーション能力」が高く、「行動力」があること。

こういう人達は、それほど語学が得意でなくても初歩的な英語を駆使してしっかりお客様とコミュニケーションでき、海外でどんどんステップアップしています。

実は当スクールの卒業生でいま一番出世している方は、在学中英語は全くできず、「My name is」を「まいなめいず」と読んでしまうほどのレベルでした。(笑)でも彼は在学中に英語のゲームルール説明を人の10倍練習し、海外就職を果たしたんです。

インタビュアー:おー!素敵なサクセスストーリーですね。

山岸先生:とにかく行動力がすごいんです。今は海外の最先端のIR(カジノを含む統合型リゾート)で、かなり上のポジションで活躍しています。

在学中は、英語の簡単な文章も読めなかったのに、いざ海外で働きはじめると積極的にコミュニケーションをとって、相手を思いやりながら自己アピールもして、大出世されました。

真面目にコツコツ英語を学習してきた私からすると、少しズルいなという気持ちはありますが(笑)、彼のコミュニケーション力と行動力、そして仲間とお客様を大切にする姿勢は心から尊敬をしていますし、学ばせられることがたくさんあります。だから「英語ができないから」という理由であきらめる必要はないです。

ただし、やっぱり英語の勉強は大事!

山岸先生:・・・と言いたいところなのですが。

インタビュアー:え?

山岸先生:正直、彼のような強靭なメンタルは生まれつきのもので、後天的に鍛えるのは難しいかもしれません。だったら、英語勉強したほうが全然早いと思うんですよ。

インタビュアー:結局そこに行き着くのか・・・。

山岸先生:でも、がっかりしないでください。「英語ができる人」って、みなさん帰国子女とかそういうのを連想なさるかもしれませんが、決してネイティブレベルの英語力が求められているわけではないのです。英語のニュースが聞き取れなくても、ネイティブと対等に会話ができなくても、そんなに高いレベルの英語力は身につけなくても大丈夫です。

英語でカプチーノを『泡多めで』注文できる位のレベルでいいんです。初級英会話プラス自分の意思・嗜好を伝えられるくらいでOK。先ずは自分の身の回りのことを英語で話せるようになれれば十分です。(ちなみに「泡多めで」は「with extra foam, please」でOK。)

インタビュアー:ふむふむ。そんなレベル感なのですね。

楽しみながら英語を勉強するコツ

山岸先生:真面目な日本人によくありがちなのが、「海外で働くためには英語を勉強しなければいけない」と英語を課題として難しくとらえてしまうこと。そうなってしまうと、なかなか「学習に着手すらしない」状態になると思います。

なので英語を課題としてとらえず、先ずは、自分自身のことや興味のあることなど、「自分が話したいこと」を英語で話すことから始めてみるのがオススメです。

例えば「ハワイのお洒落なカフェでインスタ映えするパンケーキを食べたーい!」とか、キラキラするパンケーキを英語で注文するなどですね。

たとえそれが他人にはどうでも良いことだとしてもいいんです。まずは自身の「~したい!」を表現することでモーチベーションを維持できると思います。(ちなみにネイティブは「インスタ映えする」ことを「Instagram Worthy」と言っていました)

インタビュアー:ああ、ちょっと楽しそうになってきたかも!

山岸先生:そこから自己紹介や自身の経歴、志望動機を述べることに繋げていけば面接の準備はできてしまいます。

そこに加えて、「こういう言い回しの方がカッコいいかな~相手に響くかな?」まで考えられるようになると、「お!今ちょっとカッコよく言えたし、たぶん相手にも響いたはず」という風に少しずつ自信がついてきますし、英語でのコミュニケーションがさらに楽しくなります。

これは、大人になってからの勉強でも十分間に合いますよ。

インタビュアー:ちょっとやる気がでてきました!

完璧は目指さなくていい

山岸先生:日本人は完璧でないと恥ずかしいと思うあまり、やる前から挫折してしまう人もいます。

ただ、考えてみてください。英語圏の国には英語が母国語ではない人が大勢いて、完璧な英語を話したり書いたりできない人も普通にいます。だから日本人である私たちも、堂々と間違えて、間違ったら直されて、積極的にコミュニケーションを取りながら成長していけば良いんです。

海外で就職した卒業生たちも、それぞれに苦労と努力をして、その結果海外で「貴重な体験をできた」と言っています。

気負わず楽しみながら英語を習得して、どんどん実践していけばいいのです。「英語が通じた!」という喜びをどんどん増やしていってください。

インタビュアー:英語と聞くだけで心拍数が上がってしまうような筆者でも、なんだかできそうな気がしてきました!今日からがんばります!

 

【今日わかったこと】

・海外就職の要は英語力より鋼のメンタル

・でもメンタル鍛えるよりは英語を勉強するほうが早い

・英語はネイティブレベルじゃなくても大丈夫

 

【お話を伺ったのは・・・】

山岸龍先生

サンフランシスコ・シティカレッジ卒業。カジノ英会話の他、海外提携先との窓口業務や、スクール行事の開催を担当。

https://casinoschool.co.jp/?page_id=162